
Netflix『ダウンタイム』から考える美容整形とフィットネス|変わる時間に、休む時間はあるか

「変わった後」の写真は、すぐに見つかります。けれど、その間にあった迷い、待つ時間、休む時間は、写真からはほとんど見えません。美容整形もフィットネスも、結果の印象が強いほど、その途中が抜け落ちやすいのではないでしょうか。
Netflixシリーズ『ダウンタイム』は、美容整形業界を舞台に、美や医療をめぐる異なる価値観を描く作品です。Netflixの公式紹介では、松岡茉優さん演じる形成外科医・沼田文と、仲里依紗さん演じる美容外科医・遠山凜の対立が軸として示されています。出典:Netflix公式作品紹介
この記事は、公式紹介・予告で示されたテーマをもとにした編集部の考察です。本編の視聴レビューや、個別の場面の医学的評価ではありません。物語の結末には触れません。

美容医療を受ける理由も、ジムに通う理由も、人によって違います。他人からは小さく見える悩みが、本人にとっては毎日の選択に関わることもあります。まずは、その気持ちを軽く扱わないことが大切です。
そのうえで、私たちが体づくりの入り口で考えたいのは、「その変化で何ができるようになりたいか」という問いです。好きな服で出かけたい。写真に入るのをためらいたくない。旅行を最後まで楽しみたい。見た目の先にある場面を、具体的にしてみます。
「もっと細く」「もっと若く」だけを目標にすると、どこで一区切りにするかが分かりにくくなります。自分で選んだ生活の目標があると、他人のビフォーアフターから少し距離を取りやすくなる、と編集部は考えます。
Netflixの紹介では、施術後の腫れや内出血などが落ち着くまでの回復期間が、タイトルにもなっている「ダウンタイム」と説明されています。作品におけるモチーフと、実際の医療の回復見込みは分けて考える必要があります。出典:Netflix公式紹介・タイトルの説明
体を変える予定を立てるとき、施術日やトレーニング開始日だけをカレンダーに書くのではなく、休む日、その後に予定を見直す日も入れる。これは、結果を急ぎたくなる人ほど持っておきたい視点です。
もちろん、手術後の回復と筋トレ後の休息は同じ現象ではありません。ただ、どちらも「何もしない時間はすべて無駄」と扱うと、必要な調整をしにくくなる点には、共通する問いがあります。
同じ施術名でも、方法や範囲、回復の状態によって、運動への指示は異なります。ASPSも、脂肪吸引後の回復では個別のケアの指示を受け、担当医に質問することを案内しています。出典:ASPS「Liposuction Recovery」
「ジムに戻っていいですか」とだけ聞くより、実際の動作を挙げて相談する方が、疑問を整理しやすくなります。次の4項目をメモして、診察時に確認してみてください。
トレーナーは、その指示をもとに運動内容を調整する側です。「腫れが引いたから大丈夫そう」と、見た目だけで再開の許可を出す役割ではありません。
美容医療を受ける予定がなくても、この話は日常の運動に重なります。毎日やると決めたのに、疲れてできなかった。そこで計画全部を失敗にしてしまうと、翌日も戻りにくくなります。
厚生労働省の筋力トレーニング資料では、しっかり休むことにも触れ、健康づくりの目安を週2〜3日としています。これは全員に同じ量を課すノルマではなく、個人に合わせて考えるための目安です。出典:厚生労働省「筋力トレーニングについて」
編集部からの提案は、通常の予定と、忙しい週の予定を両方つくることです。「週2回できなかったからゼロ」ではなく、時間を短くする、別の日に移す、休んで次回に戻る。予定を小さくする選択肢を、最初から用意しておきます。
『ダウンタイム』の公式紹介が投げかける美への問いは、ジムにも向いています。見た目を変える支援が、いつの間にか「今のあなたでは足りない」という圧力になっていないか。体づくりに関わる側も、考え続けたいところです。
BodyDesignGYMが運動の相談で手伝えるのは、目標と今の体力の間に、実行できる予定をつくることです。美容医療を選ぶ場合も選ばない場合も、自分の体を急かしすぎない。変わった先の生活と、そこへ向かう途中の生活を、どちらも大切にしたいと思います。
執筆:番組・出演者と当ジムに提携関係はありません。医療に関する判断は担当医にご確認ください。